子ども・妊婦

妊娠中に食べても太らない食べ物は?食事メニューや太らないコツを解説!

2023年6月28日

「妊娠中にも痩せる方法は?」
「妊娠中にダイエットをしても良い?」

本記事では、妊娠中に太らないためにおすすめの食品や、妊娠中はどれだけ体重が増えても良いのかを解説します。

また、妊娠中のダイエットが子どもにどのような影響を与えるのかもご紹介。実は、妊娠中のダイエットは子どものIQを下げることが明らかになっています。

この記事でわかること

  • 野菜から食べ、よく噛んで、ゆっくり食べることが大切
  • 高タンパク・低糖質の食品を選ぶと良い
  • 妊娠中は7~13kgほど体重が増加する
  • 妊娠中のダイエットはNG

妊娠中は何kgまで太っても良い?

妊娠中は7~13kgほど体重が増えますが、全ての期間で単調に増えていくわけではありません。以下のグラフのように、妊娠12週(3ヵ月)頃から体重が増え始めます。

国立成育医療研究センターによる妊婦の適正な体重の増加ペース

出典:国立成育医療研究センター「妊娠中の体重増加曲線

これより、以下のような推移であれば、問題ない体重増加と言えるでしょう。

妊娠4ヵ月目:1.0~3.0kg
妊娠6ヵ月目:4.5~6.5kg
妊娠8ヵ月目:7.0~10.0kg

妊娠中に太らないために意識したい3ヶ条

妊娠中に太りすぎないためには、以下の3つを意識することが大切です。

  1. 野菜から食べる
  2. よく噛んで食べる
  3. ゆっくり食べる

1.野菜から食べる

まず野菜から食べることで血糖値の旧状況が抑えられてムダな脂肪が付くのを防ぐ

野菜から食べることで、ムダな脂肪が付くのを防いでくれます。

ご飯やパンなどの糖質の高いものを最初に食べてしまうと、血糖値が急上昇します。すると、血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンが大量に分泌されます。

インスリンは、血糖値を下げる作用を持つホルモンです。しかし、血中の糖を脂肪に変換して蓄える作用も持っているため、ムダな脂肪が付きやすくなります。

野菜は糖質が少ないため、野菜から食べることで血糖値の急上昇を防止でき、インスリンの分泌も抑えられます。

ムダな脂肪をつけないために、糖質の少ない野菜から食べるようにしてみてください。

2.よく噛んで食べる

よく噛むことで満腹中枢が刺激され、食べすぎを防止できます。

実は、「噛む」という行為をするだけで満腹感をつかさどる満腹中枢が刺激され、満腹感が得られるのです。

噛む回数を増やすだけで、いつもより少ない量で満腹感が得られます。

あまり噛まずに飲み込んでしまっている方は、まずは1口20回を目標に噛むようにしてみてください。

3.ゆっくり食べる

ゆっくり食べると、少ない量でもいつもと同じ満腹感を得られます。

前章では、噛むことで満腹中枢が刺激されると解説しましたが、血糖値の上昇によっても満腹中枢は刺激されます。

しかし、血糖値が上昇してから15~20分経たないと、満腹中枢は刺激されません。

そのため、食べ始めてから15~20分間は満腹感を得られにくく、食べ過ぎてしまいがちです。

食べ始めの食べすぎを防ぐためにも、ゆっくり食べるようにしてみてください。

妊娠中に食べたい太らない食べ物7選

ここからは、妊娠中におすすめの「太りにくい」食べ物をご紹介します。間食にも最適ですので、好きな食べ物があれば試してみてください。

  1. ゆで卵
  2. 鶏肉
  3. 豆腐
  4. サラダ
  5. こんにゃく・寒天
  6. 全粒粉パン

1.ゆで卵

ゆで卵は栄養価が高いため妊娠中におすすめ

ゆで卵はカロリーが低いだけでなく、栄養価が高いというメリットがあるため、たくさんの栄養素が必要な妊婦さんには最適な食べ物です。

また、たんぱく質の「質」を示すアミノ酸スコアは満点の1.00です。1個70~80kcalと低カロリーで、質の高い栄養素を摂れますよ。

2.鶏肉

鶏肉もたまごと同様に、たんぱく質が豊富でヘルシーな食べ物です。

たんぱく質は消化に時間がかかるため、満腹感を長時間持続できます。また、皮なしの鶏むね肉は100g当たり110kcalと非常に低カロリーです。

サラダなどのヘルシーな食べ物と合いますので、たんぱく質が不足している際には付け足してみてください。

3.魚

魚にはDHAやEPAが含まれているため妊婦におすすめ

魚は、たんぱく質が豊富かつ「摂った方が良い」脂質が豊富に含まれている食べ物です。美容や脳機能にも良いDHAやEPAが豊富に含まれています。

妊娠中にDHAやEPAを摂ると、子どものIQが向上することもわかっています。その理由や、DHAやEPAが多く含まれている魚は、以下の記事で解説しています。

しかし、妊娠中は「水銀」に注意が必要です。妊婦や幼児が水銀を摂りすぎると、神経系に大きなダメージを負ってしまいます。

水銀が多く含まれている魚や、妊婦や幼児が摂っても良い水銀量は、以下の記事で解説しています。妊娠中の食事に迷いがある方は、参考にしてみてください。

4.豆腐

豆腐は、高たんぱく質かつ低カロリーな食べ物です。そのため、腹持ちが良く、摂取カロリーを抑えられます。

また、豆腐に含まれている「イソフラボン」は、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをします。

イソフラボンの効果

  • 髪のツヤ・ハリを保つ
  • 肌の弾力を保つ
  • コレステロールの増加を防ぐ
  • 女性らしい身体を作る

このように、豆腐を食べると多くの美容効果を得られます。

5.サラダ

サラダはカロリーが非常に低く、栄養価も高い優れた食品です。その中でも、緑黄色野菜は、身体に良い効果を多くもたらすことがわかっています。

緑黄色野菜

可食部100gあたりカロテン(カロチン)含量が600マイクログラム(μg)以上の野菜
例:にんじん、アスパラガス、トマト、小松菜

カロテンの1つであるβ-カロテンは、ビタミンAに変換されます。ビタミンAには、以下の効果があります。

ビタミンAの効果

  • 美肌効果
  • 目の健康維持
  • 粘膜の健康維持

もちろん、緑黄色野菜ではないものにも、美容や健康に良い栄養素は多く含まれています。できるだけ、多くの種類の野菜を食べるようにしましょう。

6.こんにゃく・寒天

こんにゃくや寒天は食べ応えがありますが、カロリーが低くヘルシーな食品です。また、水分含有量が多いため水分補給にもなります。

また、こんにゃくには「グルコマンナン」という水溶性食物繊維が含まれています。

グルコマンナンは水分を吸って膨らむため、胃の中のかさを増やし、満腹感を与えてくれます。

こんにゃく粉が入った寒天も同じ効果がありますので、間食や夜食など、カロリーを摂りたくない時に活用してみてください。

7.全粒粉パン

全粒粉には食物繊維が豊富に含まれておりGI値が低いため血糖値の急上昇を防いでくれる

全粒粉パンは一般的な食パンに比べて、食物繊維が豊富に含まれていたり、GI値が低く血糖値の急上昇を抑えられたりと、多くのダイエット効果があります。

しかし、全粒粉だけでパンを作るのは難しく、ほとんどの場合は小麦粉も含まれています。

そのため、全粒粉ばかり食べてしまうと、糖質の摂取量が多くなってしまいます。

あくまで、食パンの代わりとして食べるようにしましょう。

妊娠中に太らないために控えた方が良い食べ物3選

前章の「妊娠中に食べたい太らない食べ物7選」で紹介した食べ物は、「高タンパク」かつ「低カロリー」という特徴を持っていました。

逆に、控えた方が良い食品は、「高糖質」かつ「高カロリー」の食品です。

  1. 揚げ物
  2. ジュース
  3. スナック菓子

1.揚げ物

揚げ物は脂質が多く、高カロリーの食品が多いです。そのため、ダイエットに向いていないだけでなく、美容や健康にも悪影響を及ぼします。食べすぎには注意です。

また、「食べても太らない食べ物」で紹介した食品も、揚げてしまうと高カロリーになってしまいます。

太らないためには、豆腐や鶏肉などはなるべく揚げずに食べるようにしてください。

2.ジュース

食べ応えがなく満腹感も得られないため想像しにくいかもしれませんが、ジュースは糖質が多く含まれている太りやすい食品です。

ジュースには、10mL当たり約50kcalものカロリーが含まれています。500mLのペットボトルジュースを飲んでしまうと、250kcal程度のカロリーを摂ることになります。

また、果汁100%ジュースであっても、果物由来の糖質が多く含まれています。太らないためには、お茶や水などを飲むようにしましょう。

3.スナック菓子

スナック菓子は脂質や糖質が多いため、ダイエットには向いていません。太りたくないのであれば、できるだけ控えるようにしましょう。

どうしてもお腹が空いてしまった場合は、果物や野菜などをアレンジして間食として取り入れるようにしてみてください。

妊娠中に食べても太りにくい食事メニュー

ここでは、札幌市豊平区の「妊婦さん向け献立1週間(妊娠中期~後期)」を参考に、妊娠中に望ましい食事メニューをご紹介します。

朝食|ライ麦パン・野菜スープ・鶏肉とサラダ
昼食|ナポリタンスパゲッティ・にらの卵炒め
夕食|鮭のホイル焼き・小松菜の煮びたし・ポテトサラダ

気になるメニューがあれば、「妊婦さん向け献立1週間(妊娠中期~後期)」から確認してみてください。

朝食|ライ麦パン・野菜スープ・鶏肉とサラダ

朝食|ライ麦パン・野菜スープ・鶏肉とサラダ

出典:札幌市豊平区役所「妊婦さん向け献立1週間(妊娠中期~後期)

ライ麦パン

2枚程度。

全粒粉パンに変えてもOKです!
色のついたパンの方が食物繊維が多く含まれている傾向にあります。

野菜スープ

野菜:あさり・キャベツ・にんじん・玉ねぎ・セロリ・さやえんどう
調味料:コンソメ・酒・塩こしょう

お好きな野菜をアレンジして入れてみてください!

鶏肉とサラダ

鶏もも肉・ブロッコリー・トマト・アスパラ

朝は、肉や魚のようなたんぱく質が少なくなりがちです。
少量でも摂取するようにしてみてください!

昼食|ナポリタンスパゲッティ・にらの卵炒め

昼食|ナポリタンスパゲッティ・にらの卵炒め

出典:札幌市豊平区役所「妊婦さん向け献立1週間(妊娠中期~後期)

ナポリタンスパゲッティ

具材:スパゲティ・ハム・玉ねぎ・ピーマン・生椎茸
調味料:オリーブ油・トマトケチャップ・塩こしょう

麺類だけで昼食を済ませている方も多いのではないでしょうか。
レンチンした野菜やハムなどと一緒に摂ることで、栄養バランスがUPします!

にらの卵炒め

具材:ニラ・卵
調味料:油・酒・塩こしょう・しょうゆ

たまごは栄養満点の食品です。特に、たんぱく質が不足していると感じている方は、積極的に食べてみてください!

夕食|鮭のホイル焼き・小松菜の煮びたし・ポテトサラダ

夕食|鮭のホイル焼き・小松菜の煮びたし・ポテトサラダ

出典:札幌市豊平区役所「妊婦さん向け献立1週間(妊娠中期~後期)

鮭のホイル焼き

具材:鮭・塩こしょう・バター
調味料:酒・玉ねぎ・しめじ・生椎茸・えのき茸

魚には、EPAやDHAなどの「頭が良くなる」栄養素が多く含まれています。
最低でも、1週間に1度は魚を摂取するようにしてみてください!

小松菜の煮びたし

具材:小松菜・油揚げ
調味料:かつおだし・酒・しょうゆ・みりん

油揚げのカロリーが気になる方は、小松菜のおひたしに変えてもOKです!

ポテトサラダ

具材:じゃがいも・にんじん・きゅうり・ゆで大豆
調味料・マヨネーズ・コショウ

ミックスビーンズなどの豆類を追加すると、鉄分や食物繊維、たんぱく質をさらに摂取できます。

妊娠中のダイエットはNGって本当?

妊娠中や出産後はどうしてもスタイルが崩れてしまいますが、なるべく綺麗でいるために、ダイエットしている方もいるのではないでしょうか。

しかし、妊娠中のダイエットは出生体重低下に繋がり、子どものIQ(知能指数)を低下させてしまうことはご存じでしょうか。

妊娠中にダイエットすると子供のIQが低下する

妊娠中にダイエットをしてしまうと、赤ちゃんに十分な栄養素を供給できず、子どもの発育に影響を及ぼすことがあります。

日本は母親の痩せ志向が強いため、先進国の中では低出生体重児の割合が高いです。

各国の低出生体重児の割合

出典:厚生労働省「活力ある持続可能な社会の実現を目指す観点から、優先して取り組むべき栄養課題について

出生体重が低いと、IQ(知能指数)に悪影響を及ぼすことが明らかになっています。

出生体重別の子どもの平均IQ

1,000g未満児:100.4
1,000~1,499g児:109.1
2,500g以上児:118.7±8.7

そのため、過度に体重が増えてしまったとき以外は、妊娠中のダイエットは控えるようにしましょう。

妊娠中は7~13kgの体重は増加する

一般的に、妊娠してから3~4ヵ月目から体重が徐々に増え始め、最終的には7~13kgほど体重が増加すると言われています。

一気に10kg以上も増えてしまうとスタイルが気になるかもしれませんが、子どもの成長のためには欠かせない過程です。

仕方のないことだと割り切るようにしましょう。

妊娠中に太りやすい時期はいつ?

一般的に、つわりから解放される妊娠中期から体重が増えやすいと言われています。

つわりから解放されると、食欲が戻り、一気に体重が増える方もいるようです。体重が全く増えないのも良くありませんが、増えすぎにも注意してみてください。

次章では、妊娠中のどの時期に、どれだけの体重増加が望ましいのかを解説します。

妊娠中の体重増加の目安

妊娠中は、以下のようにグラフのように体重が増加します。

国立成育医療センターが提示する妊娠中の体重増加の目安

出典:国立成育医療研究センター「妊娠中の体重増加曲線

妊娠4ヶ月目|1.0~1.5kg程度増加する

妊娠3~4ヵ月(12~16週間)の間に体重が増え始める方が多いようです。

妊娠4ヵ月目は、1.0~1.5kgの増加であれば順調に体重が増えていると考えて良いでしょう。

妊娠6ヶ月目|4.0~7.0kg程度増加する

妊娠6ヵ月目は4.0~7.0kgの増加であれば正常な範囲内です。

また、もともと痩せ体質の方は、妊娠中に体重が増加しやすい傾向にあります。痩せ体質の方で、出産前と比べて体重の増加が4.0kg以下の方は、少し食べる量を増やしても良いでしょう。

妊娠8ヶ月目|7.0~10.0kg程度増加する

妊娠8ヵ月目は7.0~10.0kgの増加が一般的です。

また、肥満体質の方は、妊娠中に体重が増加しにくい傾向にあります。BMIが30近くある方は、妊娠前と比べて5kgの増加でも十分な場合があります。

極度の痩せ体質の方や、肥満の傾向がある方は、通っている産婦人科の先生に体重増加について個別に相談すると良いでしょう。

まとめ|食べ物に気をつければ妊娠中も過度に太らない

本記事では、妊娠中に食べても太りにくい食べ物や、妊娠中の体重増加について解説してきました。

この記事のまとめ

  • 野菜から食べ、よく噛んで、ゆっくり食べることが大切
  • 高タンパク・低糖質の食品を選ぶと良い
  • 妊娠中は7~13kgほど体重が増加する
  • 妊娠中のダイエットはNG

妊娠中の体重増加は、子どものIQにまで影響を与えることが明らかになっています。

子どもの順調な成長を助けるためにも、妊娠中の痩せすぎ・太りすぎには注意を払うようにしてみてください!

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