コラム

【おいしく減塩する方法5選】減塩グッズ・お手軽減塩レシピを紹介!

ラーメン、カレー、フライドポテト…

美味しい食べ物には、たいてい多くの塩分が含まれていますよね。

「減塩したい…けどやめられない」という方も多いのではないでしょうか。

本記事では、おいしさそのままで減塩する方法を解説します。また後半では、1日に摂取してもいい量や、おいしく減塩できるレシピも紹介しています。

どのくらい減塩すればよい?

結論、1日に摂取する塩分は男性で7.5g、女性で6.5g以内に抑えると良いでしょう。

その理由を、日本人の平均塩分摂取量と、厚生労働省や日本高血圧学会が提示している目標量から解説します。

日本人の平均摂取量と目標量

日本人の平均塩分摂取量は10g程度です。

出典:日本生活習慣病予防協会「食塩摂取量の平均値は10.1g、男性10.9g、女性9.3g

それに対して、各団体が定める塩分摂取目標量は5.0以下~7.5g以下です。

男性女性
厚生労働省7.5g以下6.5g以下
日本高血圧学会6.0g以下6.0g以下
WHO
(世界保健機関)
5.0g以下5.0g以下

日本高血圧学会やWHOが設定している値は、日本人の塩分摂取量の半分ほどです。いきなりここまで減らすのは難しいため、まずは厚生労働省の男性7.5g、女性6.5gを意識してみてはいかがでしょうか。

夏は塩分をたくさん摂った方が良い?

「夏は熱中症予防のために塩分を積極的に摂りましょう」

夏が近づくとよく聞くフレーズですが、おすすめしません。

もちろん、普段から極端に塩分を控えている方は夏場に増やすべきですが、日本人の多くは普段から塩分を摂りすぎています。

そもそも、人間が1日に必要な塩分は、多く見積もっても1.5g(ナトリウム600mg)程度。つまり、普段から日本人は、1日に必要な7倍もの塩分を摂取しているのです。

そのため、ほとんどの人は、夏だからと言って塩分をさらに摂る必要はありません。

むしろ、塩分の過剰摂取による疾病リスクが上がってしまうため、夏でも減塩するくらいの気持ちでOKです。

ただし、「普段からごく少量しか塩分を摂っていない」方や、「大量の汗をかいた」時は、しっかり塩分を摂るようにしてくださいね。

食材別の食塩含有量

塩分が多く含まれる食品を紹介します。

塩分含有量
ラーメン5~8g
うどん5~6g
牛丼3~6g
漬物5切れ1.5g
梅干し2.0g
味噌汁1.5g
食塩小さじ16.0g

これらは塩分が多く含まれている食品ですが、意外と多くの塩分が含まれていますよね。特にラーメンは、1杯食べるだけで1日の目標量を超えてしまいます。

これだけ見ると「減塩なんてムリ…」と思われる方も多いと思います。

しかし、工夫次第では減塩しながら好きなものを食べたり、味の濃い料理を作ることが可能です。次章ではそのコツを5つ紹介します。

おいしく減塩する5つの方法

スープを飲みすぎないようにする

基本的に、スープ類には多くの塩分が含まれています。スープはすぐに飲めてしまうため、塩分を摂っているという感覚が薄れがちですが、汁物には注意が必要です。

塩分が多く含まれているスープ

  • ラーメン
  • うどん
  • 味噌汁
  • インスタントスープ

特に、麺類のスープには、麺の2~3倍程の塩分が含まれています。逆手に取れば、スープにさえ注意すれば塩分を大幅に抑えられます。

味噌汁やスープを飲むときのほか、麺類を食べる時にもスープに注意するようにしてみてください。

酸味・うま味を活用する

塩味だけに頼るのではなく、酸味やうま味を活用するのも手です。

うま味とは、昆布や煮干しなどから取れる「ダシ」の味のことです。うま味を活用すれば、おいしさを損なうことなく減塩することができます。

また、酸味は塩味を強く感じさせる作用があります。つい塩分を多く使ってしまう方は、酢やレモンなどで酸味を効かせると良いでしょう。

香辛料を活用する

香辛料(スパイス)で味を引き立てると、塩に頼らずおいしい料理を作ることができます。香辛料を使いこなせるようになると、料理の幅が一気に広がりますよ。

また、香辛料の他にも、香味野菜を使ってアクセントを加えるのも手です。

活用したい香味野菜

  • ニンニク
  • ショウガ
  • みょうが
  • セロリ

調理後に調味料を使わない

調理の段階で味付けをしたのにもかかわらず、食べる前にも調味料をかけていませんか?

このように、二重に味付けをしてしまうと、塩分過多になってしまいます。

無意識に調味料に手が伸びてしまう方は、食卓テーブルに調味料を置かないようにするなどしてみてください。

減塩食品・減塩グッズを活用する

近年の技術開発により、塩辛さはそのままに、塩味を増強できる食品やグッズが開発されています。

おすすめなのが「減塩しお」です。

減塩しおは、高血圧の原因となるナトリウムの含有量が低く、血圧降下作用のあるカリウムが多く含まれています。

減塩しおは「減塩しおで高血圧予防!」で詳しく解説しておりますので、興味のある方はご覧ください。

また、研究段階ですが、電気刺激によって塩味を感じられる箸やスプーンも開発されています。実用化されれば、塩分を摂らなくても塩味を感じられるかもしれません。

おいしく減塩できるレシピ3選

ここでは、おいしく減塩できるレシピを3つ紹介します。

  • 筑前煮|うま味を活かす
  • 魚のフライ|レモンやパセリを活かす
  • 豚肉の甘酢炒め|お酢を活かす

参考:熊本県東区静岡県栄養士会

筑前煮|うま味を活かす

かつおと昆布から取った「うま味」を活かした料理です。

出典:熊本市東区「和食メニュー

材料

  • 鶏もも肉(皮なし):150g
  • 酢:小さじ1
  • にんじん:80g
  • れんこん:80g
  • さやえんどう:20g
  • 油:大さじ1/2
  • A|だし汁(かつお・昆布):120g
  • A|酒:大さじ1
  • B|めんつゆ(2倍濃縮):18g(大さじ1+1/5)
  • B|砂糖:小さじ1/2

  • 下ごしらえ

    鶏肉は一口大のそぎ切りにし、酢をからめる。にんじんは小ぶりの乱切りにする。れんこんは縦4等分にして乱切りにし、酢水にさらして水気を切る。さやえんどうは斜め半分に切る。

  • 具材を煮る

    鍋に油を中火で熱し、鶏肉、れんこん、にんじんを炒め、れんこんが透き通ったらAを加える。煮立ったらアクを除いてふたをし、弱めの中火で10分ほど煮る。

  • 仕上げ

    煮汁がほとんどなくなったらBを加えて、混ぜながら煮からめる。仕上げにさやえんどうを加えて、さっと煮る。

引用:熊本市東区「和食メニュー

魚のフライ|レモンやパセリを活かす

レモンとパセリで味にアクセントを効かせた料理です。

引用:熊本市東区「洋食メニュー

材料(2人分)

  • 魚の切り身:140g
  • 酒:小さじ1
  • 塩:1g(小さじ1/5)
  • こしょう:少々
  • 小麦粉:大さじ2/3
  • 卵:12g(1/4個程度)
  • パセリ:4g
  • パン粉:16g
  • 粉チーズ:大さじ1
  • 油:大さじ2/3
  • 付け合わせ
    (ブロッコリー、トマト、レモンなど)
  • 下ごしらえ①

    魚は酒をふり、塩、こしょうをする。

  • 下ごしらえ②

    パセリはみじん切りにして水気をとり、パン粉、粉チーズとあわせる。

  • まぶす

    魚に小麦粉、溶き卵をつけた後、②にまぶす。

  • 焼く

    フライパンに油を熱し、両面をきつね色になるまで中火で焼く。

  • 仕上げ

    器に盛りつけ、付け合わせを添える。

引用:熊本市東区「洋食メニュー

豚肉の甘酢炒め|お酢を活かす

お酢の酸味を活かした料理です。

引用:静岡県栄養士会「豚肉の甘酢炒め

材料

  • 豚肩ロース肉:70g
  • 玉葱:25g
  • ピーマン:15g
  • パプリカ 赤:15g
  • パプリカ 黄:10g
  • 生しいたけ:10g
  • ごま油:小さじ1
  • しょう油:小さじ2/3
  • 砂糖:小さじ1+1/3
  • 酢:小さじ1
  • みりん:小さじ2/3
  • 下ごしらえ

    豚肉は5㎝程度、玉葱、ピーマン、パプリカ、生しいたけは1cm程度の厚さにスライスする。

  • 肉を焼く

    フライパンを熱しごま油を引いて、肉を炒める。肉の色が変わったら、一度取り出す。

  • 全て炒める

    続いて野菜類を炒め、火が通ったら肉も戻して味付けをして仕上げ、盛り付ける。

引用:静岡県栄養士会「豚肉の甘酢炒め

塩分を摂りすぎると動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞のリスクが上がる

塩分を摂りすぎると、様々な疾病リスクが増加します。では、なぜ塩分を摂りすぎるだけで身体に悪影響が出てしまうのでしょうか。

以下が、塩分の摂りすぎが様々な疾病を引き起こすメカニズムです。

  • 塩分(NaCl)をたくさん摂る

    体内でNa⁺とCl⁻に分かれる。
    →Na⁺が血液や細胞外の体液に入る
    →血中のNa⁺濃度が濃くなる
    →Na⁺濃度を下げるため血中に水が入る
    血液量が多くなる

  • 血管に高い圧力がかかる(高血圧)

    →高い圧力により血管が傷つく

  • 傷を修復すると血管が厚く硬くなる(動脈硬化)

    硬く傷ついた血管にはコレステロールが溜まりやすくなり、血管が狭くなる

  • 硬い血管に血を流すため、心臓は強く拍動しなくてはならない

    →心臓の負担が増える

  • 血管が狭くなって詰まりやすくなる

    血液が循環しなくなり脳梗塞・心筋梗塞を起こす

このようにして、塩分の摂りすぎは命に関わる重大な疾病に結びつきます。

摂りすぎの自覚がある方は、少しづつ、減らしてみてはいかがでしょうか。

まとめ|工夫次第でおいしく減塩できる

本記事では、おいしく減塩する方法を解説しました。

塩分の摂りすぎは、疾病リスクを大きく上げます。酸味やうま味、香辛料などをうまく活用して、塩分に頼らなくてもおいしく料理できる方法を見つけてみてください。

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