一般的に食事は「1日3食」が基本ですが、食事回数を1日5食などに増やしたほうが痩せることをご存じでしょうか。
実際、体を大きくしなければならない力士が1日2食だったり、世界的なモデルが1日5食のダイエットに成功したりと、食事回数を調整して体型をコントロールしている人は多くいます。
しかし、1日5食などの食事回数を増やすダイエットは食生活を大きく変えるため、注意点やコツを知らずに実施すると太る可能性が高まります。
よって、1日5食にして痩せるには、正しい知識をつけて注意点をしっかりと守る必要があります。
本記事では、1日5食にすると痩せる理由から、1日5食ダイエットのデメリットややり方、注意点を解説します。
1日5食にすると痩せるって本当?
1日5食にして食事回数を増やすことで、痩せる可能性が高くなるといわれています。
これは1日3食のときと同じ食事量・摂取カロリーにすることが前提ですが、食事回数を増やしたほうが痩せる可能性が高いと考えられています。
1日5食にすると痩せる理由
1日5食にすると痩せる理由には、血糖値と空腹感が関係しています。
血糖値の急上昇を抑えられる
食事回数を増やして1回あたりの食事量を減らすと血糖値の急上昇を防げるため、体脂肪の蓄積が抑制されて太りにくくなります。
体脂肪が蓄積される要因の一つとして、血糖値の急上昇時に血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が過剰に分泌されることが挙げられます。
インスリンは血液中の糖分を吸収して体脂肪として溜め込むはたらきがあるため、インスリンの分泌量が増えると、その分体脂肪の蓄積が促進されます。
食事間隔が長くなるほど、食後の血糖値は急上昇しやすくなることがわかっています。
つまり、1日5食にして食事間隔を短くすると、食事ごとの血糖値の上がり方が緩やかになりインスリンの分泌量も少なくなります。結果として体脂肪の蓄積予防から痩せる効果が期待できるのです。
1日5食にすると血糖値が安定しやすくなるため、血糖値の急激な変動による倦怠感や眠気も防止できます。
空腹感を感じにくくなる
1日5食にすると1日の中で空腹に感じる時間が少なくなり、間食やドカ食いを防ぐことができ、太りにくくなります。
特に、よく間食をしてしまう方は、1日5食にすることで空腹を感じにくくできるため、余分なカロリーの摂取を抑えることができるでしょう。
1日5食ダイエットのデメリット
一方、1日5食ダイエットにはデメリットもあります。
特に、カロリーに気をつけなければ太るリスクが一気に高まるため、注意してください。
カロリー過多になりがち
1日5食ダイエットは普段より食事回数を増やす分、摂取カロリーが多くなりやすい傾向にあります。
1回の食事量が多くなりすぎたり、高カロリーなものを食べ過ぎたりすると、1日3食のカロリーを簡単に上回ってしまいます。
1日5食ダイエットでは1日の食事回数を増やす分、1食当たりの食事量をしっかりと制限し、カロリー過多にならないよう注意しましょう。
満腹まで食べられない
1日5食ダイエットでは、本来1日3食の食事量を5回に分けて食べるため、1食当たりの食事量はいつもの6割程度になります。
各食事で満腹まで食べることができないため、人によっては食後の満足度が下がり、物足りなさが強く残ってしまうことがあるかもしれません。
腹6分目できちんとセーブできる人は問題ありませんが、つい食べ過ぎてしまうことが多い人にとっては、満腹まで食べられないことがストレスとなります。
ストレスから食べ過ぎてしまう方は、逆に太ってしまうかもしません。
1日5食ダイエットの効果|1ヶ月で何キロ痩せる?
では、実際に1日5食ダイエットをすると、1ヶ月で何キロ痩せるのでしょうか。
アメリカの歌手・女優であるジェシカ・シンプソンは、1日5食ダイエットを約2ヶ月間実践し、65kgから54kgまで11kgもの減量に成功したといわれています。
また、とあるテレビ番組のダイエット検証では、1日5食ダイエットによって参加者6人全員が2週間で5kg以上の減量に成功したそうです。
しかし、1日5食ダイエットは大幅に摂取カロリーを減らすダイエットではなく、これまでと同じ食事量を5回に分けるダイエット方法です。
1kg分の脂肪を落とすためには、約7,000kcalを消費する必要があるといわれていますが、これは50kgの人が140kmのランニングをして落とせるカロリーです。
理論的に考えると、食事の回数を減らしただけで5kgも10kgもいきなり痩せるとは考えにくいです。
体重を減らすためには摂取カロリーが消費カロリーを下回る必要がありますが、1日5食ダイエットはこれまでの食事量を5回に分けて食べるダイエット方法です。
基本的に1日の合計摂取カロリーは変えないため、1ヵ月で目に見えるような減量効果は得られない可能性が高いと考えておきましょう。
1日5食ダイエットのやり方
1日5食ダイエットのやり方は簡単で、これまで「1日3食」でとっていた食事を「1日5食」に分けて食べるだけです。
例えば、これまでの食事が朝食500kcal、昼食1,000kcal、夕食1,000kcalの計2,500kcalであったなら、500kcalの食事を5回取り計2,500kcalにすればよいわけです。
食事回数を増やす分、各食事量はこれまでの6割程度に調整する必要があるため、1食当たりの量が多くなりすぎないよう十分注意が必要です。
ご自身がどれだけのカロリーを摂取しているか意識するだけでも、ダイエットにはよい影響があります。
実際、レコーディングダイエットという「カロリーの摂取量を記録する」だけのダイエット方法もあるほどです。
レコーディングダイエットは以下の記事でやり方や効果を解説していますので、気になる方は参考にしてください。
最適な食事のタイミング
1日5食ダイエットにおける最適な食事のタイミングは、以下の通りです。
- 朝食:6~7時
- 間食:10時
- 昼食:12~13時
- 間食:15~16時
- 夕食:18~19時
上記の時間はあくまでも目安ですが、朝食と昼食、昼食と夕食、それぞれの間に食事をプラスするイメージで実践するのがおすすめです。
上記の目安を基準に、夜中にお腹が空く場合は夕食の時間を遅くする、などの工夫をしてください。
通常、食べ物が胃の中に滞在する時間は約3時間といわれているため、各食事の間隔は3時間程度空けるのが望ましいです。
食事間隔を均一にすることで、血糖値も安定しやすく、体脂肪の蓄積を防ぐことができます。
また、食事のタイミングを変えるダイエットの一つに、朝・昼のご飯を食べないで夜だけ食べる方法があります。やり方や10万人以上が参加した検証結果を紹介していますので、興味のある方は参考にしてください。
1日5食ダイエットの注意点・コツ
1日5食ダイエットを成功させるには、大きく3つの注意点があります。
間違った方法ではスムーズな減量につなげるのは難しく、場合によっては太るリスクもあるため、十分注意してください。
1日の摂取カロリーを増やさない
1日5食ダイエットにおいて最も重要なのは、1日の摂取カロリーを増やさないことです。
先述のように、痩せるためには摂取カロリーが消費カロリーを下回る必要があります。
食事回数を増やすことで痩せる効果が期待できるのは、あくまで摂取カロリーがこれまでと同じ場合のみです。
食事回数を増やすことで1日の合計摂取カロリーが増えてしまうと、当然体重は増加します。
そのため1日5食ダイエットでは、各食事内容や1日の合計摂取カロリーをしっかり調整することが大切です。
仮に、ランチや飲み会などで1食の摂取カロリーが多くなった場合は、その分食事回数を少なくしたり、1食当たりの摂取カロリーを減らしたりするなどの工夫をしましょう。
5食目は軽く済ませる
就寝前のタイミングにあたる5食目は軽く済ませることで、痩せやすくなります。
夜は日中と比べて活動量が少なくなるほか、体が脂肪を溜め込むようにはたらくため、食事の量が多くなると太りやすくなります。
よって、1日の合計摂取カロリーがこれまでと同じだった場合でも、5食目の夕食を食べ過ぎると痩せにくくなってしまいます。
5食目は、脂質の少ないたんぱく質や低カロリーな野菜を中心とした食事にして、ご飯などの炭水化物は控えめに済ませましょう。
どうしても夜にお腹がすく場合は、満腹感を得やすい食材を選びましょう。満腹感が得られやすくダイエット中におすすめの食材は、以下の記事で解説しています。
栄養が偏らないようにする
健康的に痩せるためには、1日5食ダイエットでも栄養バランスを整えることが大切です。
バランスの良い食事とは、以下の3点が含まれる食事を指します。
- 主食:炭水化物の供給源。米や麺など。
- 主菜:たんぱく質の供給源。肉や魚、大豆製品など。
- 副菜:ビタミンやミネラルなどの供給源。野菜や
1日5食ダイエットでは摂取カロリーが多くならないよう注意する必要がありますが、食事のバランスにも気をつける必要があります。
栄養バランスを整えながら1日5食ダイエットを実践することで、健康的かつ綺麗に痩せることができます。
1日5食ダイエットでよくある質問
ここでは、1日5食ダイエットに関するよくある質問に回答します。
1日5食では腸内環境が悪くなる可能性があるの?
食事内容によっては腸内環境が悪くなる可能性もありますが、栄養バランスを整えた食事であれば、その可能性は低いと考えられます。
「断食すると腸内環境が良くなる」とよくいわれますが、これは固形物を食べずに胃腸を休めることで、体内の老廃物や毒素が排出されやすくなるためです。
この理論で考えると、食事回数を増やす1日5食ダイエットでは、腸内環境が悪くなるように感じられるかもしれません。
しかし、基本の栄養バランスが整った食事であれば、食事回数の増加が原因で腸内環境が悪化する可能性は低いでしょう。
1日5食に限らず、たんぱく質や脂質の摂り過ぎは腸内環境の悪化につながりやすくなるため、これらの摂り過ぎには日頃から注意が必要です。
また、食物繊維を多く含む食品や発酵食品などは腸内環境を整えるはたらきがあるため、意識して取り入れるとよいでしょう。
1日5食のメリットとデメリットはどちらが大きいの?
人によって異なります。
結論からいうと、1日5食ダイエットのメリット・デメリットの感じ方は個人差が大きいため、人によって向き不向きがあるといえます。
1日5食ダイエットは、1食当たりの摂取カロリーをしっかりコントロールできる人、規則正しいリズムで5回の食事をとることができる人にとっては、メリットが大きい方法といえるでしょう。
一方、カロリーコントロールが苦手で、つい食べ過ぎてしまうような人は、1日5食ダイエットのデメリットを大きく感じる場合があります。
また、1日5食を規則正しく取ることが難しい職場環境にいるなど、そもそも実施が難しい場合もあるでしょう。
1日5食ダイエットを実践する際は、生活スタイルや普段の食事内容も考慮しながら、ご自身に最適なやり方で実施してみてください。
1日5食ダイエットにおすすめのメニューは?
低カロリーかつ高たんぱくの食事がおすすめです。
バランスの良い食事が最も重要なポイントですが、余裕があれば「低カロリー・高たんぱく」も意識してみてください。
たんぱく質が多く含まれている食品
- 肉や魚
- 卵
- 大豆製品
EATNAVI編集部がおすすめする、低カロリーかつ高たんぱく質で満足度が高いメニューは、ガパオライスです。
ガパオライスは、たんぱく質が豊富な卵が入っていることに加え、野菜がたくさん入っておりカロリーの割に満足感が高いメニューです。
ダイエットに最適なガパオライスのレシピや、痩せるガパオライスにするためのポイント・注意点を解説していますので、興味のある方は参考にしてみてください。
まとめ|1日5食でカロリー過多にならないよう注意!
1日5食ダイエットは、空腹感を抑えながら痩せられるダイエット方法として注目されています。
ただし、食事回数を増やすことでカロリー過多になると、反対に太るリスクもあるため注意が必要です。
1日5食ダイエットにチャレンジする方は、本記事で紹介したやり方や注意点などを参考にしながら、カロリー過多にならないよう注意して実践してみてください。