紅茶を飲むと太るといわれることがありますが、これは本当なのでしょうか。
結論からいうと、紅茶は選び方や飲み方に気をつければ太る心配はなく、場合によってはダイエット効果が期待できます。
本記事では紅茶のダイエット効果をはじめ、市販の紅茶の選び方や飲み方を解説します。
1日に飲んでもいい適量も解説するので、普段から紅茶を飲む方はぜひ参考にしてくださいね。
紅茶を飲むと太る理由
紅茶自体には少しのカロリーしか含まれていないため、基本的に太る心配はいりません。
しかし、砂糖・ミルクの量や、飲む時間によっては太ることがあります。
紅茶に砂糖やミルクを入れている
紅茶に砂糖やミルクを入れて飲んでいる場合、カロリーが高くなり太る可能性があります。
何も入れていないストレートの紅茶はカップ1杯(200mL)当たり2kcalのため、基本的に紅茶を飲むだけで太ることはありません。
しかし、砂糖やミルクが入っている場合、その量に応じてカロリーは高くなります。
市販の紅茶には砂糖やミルクが入っているものも多いため、商品によっては紅茶を飲みすぎると太ることがあります。
紅茶を寝る前に飲んでいる
紅茶を寝る前に飲むと、紅茶に含まれるカフェインによって睡眠の質が低下し、その影響で太ることがあります。
カフェインには覚醒作用があるため、カフェイン入りの紅茶を就寝前に摂取すると、寝つきや睡眠の質が悪化することがあります。
睡眠の質の低下や睡眠不足はホルモン分泌に影響を及ぼし、食欲を増加させます。そのため、寝る前の紅茶の摂取は太る原因になるのです。
成人は1日400mg程度のカフェインを摂取しても問題ないといわれています。しかし、紅茶のカップ1杯(200mL)に含まれるカフェインの量は60mg程度とそれほど多くありません。
食品名 | カップ1杯(200mL) 当たりの カフェイン含量 |
---|---|
コーヒー | 120 mg |
紅茶 | 60 mg |
ほうじ茶 | 40 mg |
ウーロン茶 | 40 mg |
エナジードリンク | 64~600 mg |
そのため、寝る前の紅茶の摂取だけが原因で体重増加につながる可能性は低いと考えられるでしょう。
紅茶のダイエット効果
紅茶を飲むと太るといわれる一方で、紅茶に含まれるカテキンやカフェインにはダイエット効果が期待できる報告も数多くあります。
カテキンが内臓脂肪の蓄積を抑える
紅茶に含まれるカテキンには、内臓脂肪の蓄積を抑える効果があることから、ダイエット効果が期待できます。
カテキンとは茶葉に含まれるポリフェノールの一種で、主にお茶類の苦味や渋味のもととなる成分です。
カテキンには、中性脂肪を体内に取り込む「吸収リパーゼ」のはたらきを阻害する作用があります。
そのため、食事とともにカテキンを含む紅茶を摂取すると、中性脂肪の吸収が阻害され、内臓脂肪の蓄積を抑える効果があると考えられます。
中性脂肪は体を動かすエネルギー源となりますが、過剰に摂取した分は内臓脂肪として蓄積されます。よって、ダイエット中は中性脂肪の吸収を抑えることが大切です。
また、カテキンには内臓脂肪をエネルギーとして消費するはたらきを高める効果も示されています。
このようにカテキンは、内臓脂肪の蓄積を抑えるとともに内臓脂肪の燃焼も促す高いダイエット効果を持っています。
カフェインが脂肪の燃焼を助ける
紅茶に含まれるカフェインにも、脂肪燃焼を助けるはたらきがあります。
カフェインには覚醒作用のほか、交感神経を活性化する作用があります。
交感神経が活性化されると脂肪燃焼も促進されることから、カフェインが含まれる紅茶にはダイエット効果が期待できるのです。
また、カフェインには脂肪を落とす「燃焼リパーゼ」を活性化させる作用があります。
このように、カフェインには脂肪燃焼を促す作用が多くあり、ダイエット効果が見込めます。
太らない紅茶の選び方|砂糖・ミルク・はちみつは避けよう
紅茶を飲んで太らないためには、砂糖やミルク、はちみつを入れずにのむようにしましょう。
先述のように、何も入っていないストレートの紅茶は1杯あたり2kcalと低カロリーです。しかし、紅茶に砂糖・ミルク・はちみつを入れると、高カロリーな飲み物になります。
紅茶1杯(200mL)に砂糖・ミルク・はちみつを加えると、以下のようにカロリーが増加します。
カロリー | 糖質 | |
---|---|---|
ストレート紅茶 | 2kcal | 0.0g |
砂糖(小さじ1) 入り紅茶 | 14kcal | 3.1g |
ミルク(50mL) 入り紅茶 | 33kcal | 2.4g |
はちみつ(小さじ1) 入り紅茶 | 25kcal | 5.3g |
砂糖小さじ1杯程度ではそこまでカロリーは高くなりませんが、いずれも何も入っていない紅茶よりもカロリーが高くなります。
以下は、厚生労働省が定める1日に必要なエネルギー量です。
1日に必要な エネルギー量(kcal) | 1日に必要な 糖質量(g) | |
---|---|---|
男性 | 2,600 ~ 2,700 | 325 ~ 440 |
女性 | 1,950 ~ 2,050 | 245 ~ 310 |
参考:日本人の食事摂取基準(2020年版)いずれも身体活動レベルふつうの場合
この数値だけみると、砂糖やミルクなどが入った紅茶を飲んでも大幅なカロリーオーバーや糖質過多にはならないように感じられるかもしれません。
しかし、砂糖やミルクなどが入った市販の紅茶はさらにカロリーが高い場合もあります。
また、ペットボトルで500mlの紅茶を飲んだ場合、カロリーや糖質は上記の値の約3倍になることに注意が必要です。
カロリーは気になるけれど、どうしても甘みのある紅茶を飲みたいといったときには、人工甘味料で甘みをつけた紅茶を選んでもよいでしょう。
太らない紅茶の選び方
- 甘くないストレート紅茶を選ぶ
- 砂糖・ミルク・はちみつが入っていない物を選ぶ
- 人工甘味料入りの紅茶を選ぶ
太りやすい市販の紅茶3選
ここでは、太りやすい市販の紅茶を3つ紹介します。それぞれのカロリーや太りやすくなる理由も解説するので、参考にしてくださいね。
紅茶花伝 ロイヤルミルクティー(コカ・コーラ)
出典:コカ・コーラ
「紅茶花伝 ロイヤルミルクティー」はよく見る人気の商品ですが、糖質が多くカロリーも高いため、太りやすい傾向にあります。
100mL | 製品1本 (440mL) | |
---|---|---|
カロリー | 36kcal | 158kcal |
糖質 | 6.8g | 29.9g |
「紅茶花伝 ロイヤルミルクティー」は100%国産牛乳を使用しているため、コク深くマイルドな味わいが楽しめますが、その分ハイカロリーです。
1本飲むだけでは太るわけではありませんが、飲みすぎには注意しましょう。
クラフトボス ミルクティー(サントリー)
「クラフトボス ミルクティー」も市販の紅茶のなかではカロリーが高く、太りやすい商品のひとつです。
100mL | 製品1本 (600mL) | |
---|---|---|
カロリー | 33kcal | 198kcal |
糖質 | 6.4g | 38.4g |
「クラフトボス ミルクティー」には、紅茶や牛乳よりも砂糖が多く入っており、600mLと内容量が多いため、市販品の中では摂取カロリーが多くなる傾向にあります。
午後の紅茶 ストレートティー(キリン)
出典:キリン
市販の紅茶といえば、午後の紅茶をイメージする方も多いでしょう。
午後の紅茶には複数の種類がありますが、ここではストレートティーを例に挙げて紹介します。
100mL | 製品1本 (500mL) | |
---|---|---|
カロリー | 16kcal | 80kcal |
糖質 | 4.0g | 20.0g |
本来「ストレートティー」とは、紅茶に何も加えていないものを指します。
しかし、「午後の紅茶 ストレートティー」には砂糖や果糖ぶどう糖液糖が入っているため、本来のストレートティーよりも多くのカロリーが含まれています。
同社のミルクティーよりは低カロリーですが、名前に騙されないように注意が必要です。
太りにくい市販の紅茶3選
次に、太りにくい市販の紅茶を3つ紹介します。
ダイエット中に市販の紅茶を購入する際は、以下の3つから選んでください。
午後の紅茶 おいしい無糖(キリン)
出典:キリン
「午後の紅茶 美味しい無糖」は、砂糖が入っていない市販の紅茶です。原材料は紅茶と香料、酸化防止剤のビタミンCのみです。
カロリー・糖質ともにゼロであるため、「午後の紅茶 おいしい無糖」はダイエット中におすすめの紅茶です。
パラダイスティー(UCC)
出典:UCC
「パラダイスティ 無糖」も砂糖などの糖類が入っていないストレートティーのため、毎日飲んでも基本的には太りません。
4種のハーブがブレンドされており、フルーティーな味わいが楽しめます。
午後の紅茶 美味しい無糖 ミルクティー(キリン)
出典:キリン
太りたくないけどミルクティーが好きという方には、「午後の紅茶 美味しい無糖 ミルクティー」がおすすめです。
牛乳が入っているため、無糖のストレートティーよりはカロリーが高いですが、100mlあたり10kcalとミルクティーの中では低カロリーです。
太りにくい紅茶の飲み方
ここまで、太りやすい紅茶と太りにくい紅茶について説明しましたが、飲む時間や飲み方を工夫することで太りにくくすることも可能です。
夕方までに飲む
糖質入りの紅茶は、夕方までに飲むことで太りにくくなります。
深夜から早朝の時間帯は、脂肪を蓄積する「BMAL1(ビーマルワン)」というたんぱく質の分泌量が増えることがわかっています。
そのため、夕方以降にカロリーの高い紅茶を飲むと、そのまま脂肪として溜め込まれやすくなるのです。
よってダイエット中は、BMAL1の分泌量が少なく活動量も多い日中に紅茶を飲むとよいでしょう。
生姜を入れて飲む
生姜には、代謝を高めて血行を促進するショウガオールやジンゲロールが含まれています。体温が上がると代謝も高まり脂肪燃焼も促進されるため、ダイエットにつながります。
チューブのすりおろし生姜を紅茶に入れるだけで「ジンジャーティー」になります。簡単にアレンジできるので、ぜひ試してみてください。
紅茶以外の太りにくい飲み物
紅茶は砂糖やミルクなどが入っていないものを選択したり、飲み方を工夫したりすることで、太りにくくできることがわかりました。
では、紅茶以外の太りにくい飲み物には、どのようなものがあるのでしょうか。
緑茶
緑茶は1杯200mLあたり4kcalと低カロリーで、基本的に何も入れずにおいしく飲めるため、ダイエット中におすすめです。
さらに、緑茶の苦み成分であるカテキンには体脂肪を減らす効果が確認されています。
カテキンは紅茶にも含まれていますが緑茶のほうが含有量が多いため、紅茶以上に体脂肪を減らす効果が期待できます。
コーヒー
コーヒーは砂糖やミルクなどを入れると高カロリーになりやすいですが、ブラックコーヒーは1杯あたり6kcalと低カロリーであるため太りにくいです。
また、コーヒーには紅茶の2倍のカフェインが含まれています。
先述のように、カフェインは脂肪燃焼を助ける「燃焼リパーゼ」を活性化させるため、ブラックコーヒーを飲むことで脂肪を減らす効果も期待できるでしょう。
ただし紅茶と同様に、砂糖やミルクなどを入れると太りやすくなるため、入れすぎには注意が必要です。
太らない紅茶に関するよくある質問
ここでは、太らない紅茶に関するよくある質問について、Q&A形式で回答します。
紅茶を毎日飲むと太る?
A.無糖の紅茶であれば太りにくいです。
砂糖やミルク、はちみつなどを入れていない無糖の紅茶であれば、毎日飲んでも太りにくいです。
ただし、砂糖やミルクなどが入った紅茶はカロリーが高くなるため、毎日飲むと太る原因になります。
無糖紅茶を飲んで太ることはある?
A.基本的にはありません。
無糖の紅茶は1杯あたり2kcalであるため、無糖紅茶を飲んで太ることは基本的にありません。
紅茶に含まれるカテキンやカフェインには脂肪の蓄積を抑えたり、脂肪の燃焼を助けたりする効果があります。
よって、飲み方によってはむしろ減量をサポートする効果が期待できます。
紅茶は1日何杯まで飲んでもいい?
A.1日8杯まで飲んでもよいです。
紅茶の摂取量を考えるにあたって注意すべきはカフェインの過剰摂取ですが、1日8杯までであれば健康を害することはないと考えられています。
1日あたりのカフェインの摂取量は、国際的に400mg以下にするよう推奨されています。
カフェインには脂肪燃焼を助ける効果が期待できるものの、過剰に摂取するとめまいや心拍数の増加、興奮、不眠症、下痢などを引き起こすおそれがあります。
健康被害が出ない紅茶の摂取量の目安は以下の通りです。
1杯(200mL) 当たりの カフェイン量 | カフェイン 400mg に相当する 紅茶の量 | カフェイン 400mg に相当する 杯数 | |
---|---|---|---|
ストレートティー レモンティー | 60mg | 1,333mL | 約7杯 |
ミルクティー | 40mg | 2,000mL | 約10杯 |
※ミルクティーは紅茶と牛乳を2:1の割合で混ぜたものを想定して計算しています。
カフェインの安全な摂取量だけで考えると、ストレートティーやレモンティーは1日7杯程度、ミルクティーは1日10杯程度飲んでも問題ないといえます。
ただし、砂糖を入れていないミルクティーを飲みすぎると牛乳によるカロリーの過剰摂取になりやすいため、多くてお2~3杯程度に抑えるようにしましょう。
午後の紅茶や紅茶花伝を飲んだら太る?
A.商品によっては太ります。
午後の紅茶や紅茶花伝は市販品のなかでも特に人気の商品ですが、太るか太らないかは商品によって異なります。
無糖タイプの午後の紅茶であれば太る心配はないものの、甘みのある午後の紅茶や紅茶花伝は太る可能性があるため注意が必要です。
キッコーマンの豆乳紅茶を飲んだら太る?
A.飲み過ぎると太ります。
キッコーマンの豆乳紅茶はコップ1杯(200mL)あたり60kcalのため、飲み過ぎると太ります。
豆乳は健康やダイエットによいイメージがありますが、キッコーマンの豆乳紅茶には糖類が入っているほか、豆乳そのものにもカロリーもあります。
そのため、飲み過ぎには注意が必要です。
まとめ|紅茶は賢く飲んで太らないようにしよう
砂糖やミルクなどが入っていない無糖の紅茶は、基本的に太る心配はありません。飲み方を工夫すれば、ダイエットをサポートする効果も期待できます。
紅茶を完全に断つのではなく、ダイエットにうまく取り入れて、無理なく綺麗に痩せられるよう工夫してみてください。