食品添加物

【アスパルテームの危険性】糖尿病や肥満のリスク、含有食品を解説

2022年7月5日

今日、甘いものを飲んだり食べたりしましたか?

その食品に「L-フェニルアラニン化合物」は含まれていなかったでしょうか。

L-フェニルアラニン化合物は、本記事で扱う「アスパルテーム」と同じもので、身近に存在する食品添加物です。

現在使用されている食品添加物は、国が安全性を確認したものとなっており、今回解説するアスパルテームも国の審査を通過した食品添加物です。

しかし、アスパルテームは今もなお、安全性が議論されています。

本記事では、アスパルテームの危険性や含まれている食品、1日にどれだけ摂っていいのかなど詳しく解説します。ぜひ普段の食生活に役立ててください!

そもそもアスパルテームとは?

アスパルテームは125以上の国で使用されている食品添加物で、砂糖の200倍の甘さを持っています。主に食品や飲料、医薬品に利用されています。

現在使われているほとんどの人工甘味料が偶然発見されたものですが、アスパルテームもその一つ。

胃潰瘍の研究を行っている研究員が薬包紙を取る際に指をなめたところ、ついていたアスパルテームの甘みに気づいたそうです。

人工甘味料についてもっと詳しく(クリックで詳細)

人工甘味料

自然界には存在しない、化学的に合成された甘味料。現在日本で使用が許可されている人工甘味料は、「サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK(カリウム)、スクラロース、ネオテーム、アドバンテーム」の6つ。

アスパルテームは、アスパラギン酸・フェニルアラニンの2種類のアミノ酸と、メタノールから成り立っています。摂取後は体内でもとの3つに分解されます。

アスパルテームが危険だと言われている原因は分解後の成分にあります。

ただ、アスパラギン酸とフェニルアラニンはアミノ酸の一種であり、メタノールは野菜や果物にも含まれている物質です。それらが全て悪者というわけではないので、注意してください。

アスパルテームは糖尿病や肥満、抑うつの危険性を高める

これまで、アスパルテームに関する数多くの実験が行われ、何度も安全性が検証されてきました。それでもなお、アスパルテームの安全性に関する議論はやまずにいます。

食品添加物は安全と確かめられたものですが、それでも未知のリスクはあります。

ここでは、アスパルテームで懸念されている「Ⅱ型糖尿病・肥満・抑うつ」について取り上げ、どのような危険性があるのかを解説していきます。

Ⅱ型糖尿病になる危険性

アスパルテームの使用は、インスリン分泌能力を疲弊させてⅡ型糖尿病を引き起こす危険性を高めます。

インスリンは糖分を摂ると分泌されるホルモンで、血液から余分なぶどう糖を取り除き、血糖値の上昇を抑える役割を持っています。この機能が疲弊すると、血糖値を制御できなくなり、糖尿病になってしまいます。

2013年にワシントン大学で行われた研究によると、人工甘味料を摂取した時にインスリンの分泌ピークが20%も高くなることが示されました。

この状態が続くとインスリン分泌能力が疲弊し、Ⅱ型糖尿病になるリスクが高まります。

実際にアスパルテームを摂取すると食後の血糖値が上がったという研究結果があるため、不要な摂取は控えるようにしましょう。

肥満になる危険性

アスパルテームの使用は、「甘さ」に対する依存を持たせ、肥満を引き起こす危険性を高めます。

「甘いものが食べたくて集中できない」

「甘いものが不足するとイライラする」

こんな症状になっている方は、甘さに依存しているかもしれません。

「依存」と聞くと、薬物やニコチン、アルコールを思い浮かべる方も多いでしょう。実は「甘さ」も依存を引き起こすのです。

薬物やニコチン、アルコールなどの依存性に深く関わっているのが、脳内快楽物質のドーパミンです。

依存している物質を摂ると、ドーパミンが分泌され、快感を覚えます。この快感欲しさに依存物質を摂取し続ける、これが依存症のメカニズムです。

ドーパミンは甘いものを摂取した時にも分泌されます。そのため「甘さ」に依存してしまうのです。

甘さの依存症になるメカニズム(クリックで詳細)

甘さの依存症になるメカニズム

人は、味蕾をはじめとするレセプター(味を感じる器官)で甘さを感じます。人工甘味料の甘さもこのレセプターで受容するため、人工甘味料を摂った時にもレセプターは甘さを受容します。


人工甘味料を使用すると、より多くの甘みを低カロリー・低糖質で摂ることができますが、これを利用しすぎてしまうとより強い甘みを摂取しなければ満足できなくなってしまいます。

2022年1月にデューク大学は「味蕾は(舌の味を感じる器官)人工甘味料と砂糖の甘さを区別できないが、腸内にある細胞はそれらを区別することができる。腸内細胞は砂糖を摂取するまで脳に砂糖を求める信号を送る」という研究結果を発表しました。

こうなってしまうと、人工甘味料を大量に摂りながら砂糖も欲してしまうという最悪の状態になってしまいます。

過剰に摂取しなければ依存状態にはなりません。砂糖も人工甘味料もほどほどに抑えましょう。

抑うつ状態になる危険性

アスパルテームの使用は、神経伝達物質を減少させ、抑うつ状態にする危険性を高めます。

アスパルテームを摂取すると、体内でL-アスパラギン酸とL-フェニルアラニン、メタノールに分解されます。

これら一つ一つの物質に危険性はないのですが、単独で摂取してしまうと脳内神経物質のバランスを崩し、気分障害や抑うつ状態を引き起こしてしまいます。

さらにアスパルテームの代謝産物であるフェニルアラニンは、血液脳関門を通過して、ドーパミンなどの神経伝達物質の輸送を妨げることがわかっています。

脳内でこれらの神経伝達物質が減少すると、抑うつ状態や不安症状、睡眠障害を引き起こします。

いずれも過剰量を摂取した場合ですが、実際に神経障害が出たという例もあるので、摂りすぎには注意です。

参考文献

M Yanina Pepino et al.Sucralose affects glycemic and hormonal responses to an oral glucose load.Diabetes Care.36(9).2013-9

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Imamura F, O’Connor L, Ye Z, et al. Consumption of sugar sweetened beverages,artificially sweetened beverages, and fruit juice and incidence of type 2diabetes: systematic review, meta-analysis, and estimation of population attributable fraction. BMJ. 2015;351:h3576.

Kelly L. Buchanan et al.The preference for sugar over sweetener depends on a gut sensor cell.Nature Neuroscience 25, p191–200.2022-1

R G Walton, R Hudak et al.Adverse reactions to aspartame: double-blind challenge in patients from a vulnerable population.34(1-2).1993-7.

アスパルテームの摂取許容量

アスパルテームは最も身近な食品添加物の一つで、よほど意識している方でなければ日常的に摂取している食品添加物です。

それにもかかわらず、これまで解説してきたような症状を実感した方はそこまでいないはず。その理由をここで紹介します。

まずは、摂取許容量の定義を確認してみましょう。

一日摂取許容量(ADI)

ある物質について、人が生涯その物質を毎日摂取し続けたとしても、健康への悪影響がないと推定される1日当たりの摂取量のこと。※厚生労働省より

このADIは、無毒性量の100分の1の値と決められています。

無毒性量

ある物質について何段階かの異なる投与量を用いて毒性試験を行ったとき、有害な影響が観察されなかった最大の投与量のこと。※厚生労働省より

つまり、ADI(一日摂取許容量)の100倍まで摂取しても悪影響はでないということが、これらの定義からわかります。

アスパルテームの一日摂取許容量は体重1kg当たり40mgなので、体重50kgの人の一日摂取許容量は2000mgとなります。

これがどのくらいの量かというと、パルスイート87袋分に相当します。

パルスイート1袋にはアスパルテームが22.8mg含まれている

さらに無毒性量はこの100倍ですので、有害な影響が出るのは、一日にパルスイート8700袋摂取した時となります。一日にADIを超えるパルスイートを摂るのは難しいでしょう。

しかし、摂りすぎは体に毒です。アスパルテームは、いまだに専門家が危険性を訴えているほどの食品添加物であるため、不要な摂取は控えるようにした方が良いかもしれません。 

アスパルテームが含まれている食品・含有量

今やアスパルテームを使用している商品は1万品目を超えており、コンビニやスーパーで簡単に見つけることが出来ます。

特に「ゼロ」や「フリー」など、カロリーや糖質が抑えられている商品には、アスパルテームが高確率で含まれています。

ここでは、アスパルテームが含まれている商品を挙げ、含有量を紹介します。一日摂取許容量(体重/kg × 40mg)と比較しながら見てみてください。

まずは飲み物から見ていきます。

分類

商品名

100g当たりのアスパルテーム含有量

1商品当たりのアスパルテーム含有量

炭酸飲料

カルピスソーダ
(500mL)

10.0mg

50.0mg

ダイエットペプシ
(500mL)

37.0mg

74.0mg

コカコーラ ゼロ
(500mL)

78.4mg

156.8mg

カルピス サワー
(250mL)

7.8mg

19.6mg

ソウル マッコリ
(350mL)

33.6mg

117.6mg

乳酸菌飲料

明治プロビオヨーグルトLG21
(120mL)

15.7mg

18.8mg

ジョア 白ブドウ
(125mL)

16.8mg

21.0mg

1本当たりのアスパルテーム含有量が一番多い「コカコーラ ゼロ」には、一日摂取許容量の約13分の1のアスパルテームが含まれていることがわかりました。

一日2L飲むと、一日摂取許容量の3割程度になります。

次に機能性食品とシュガーレス製品を見ていきましょう。

分類

商品名

100g当たりのアスパルテーム含有量

1商品当たりのアスパルテーム含有量

機能性食品

アミノバイタル
(3.0g)

1193.3mg

35.8mg

ザ・ペプチドパウダー
(17g)

190.0mg

32.4mg

シュガーレス

パルスイート
(1.8g)

1266.6mg

22.8mg

これらの商品は少量での使用が想定されているため、100g当たりのアスパルテーム量は高めとなっています。

1商品当たりのアスパルテーム含有量はどれも30mg程度となっていますが、これは体重50kgの人の一日摂取許容量の60分の1以下です。この結果から、そこまで摂取を控える必要はないと考えられます。

【まとめ】アスパルテームの危険性について

アスパルテームの危険性について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

アスパルテームはⅡ型糖尿病や肥満、抑うつになるリスクを持っていますが、砂糖の代わりに使用する程度であればその心配は不要です。

摂りすぎはいけませんが、適量の利用であれば糖尿病や肥満防止などの健康効果をもたらしてくれます。

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