「痩せるためにはいつ走ればいい?」
「タイミングの違いによるランニングの効果は?」
ダイエットは「食事制限」と「運動」を組み合わせることが重要。その「運動」にランニングを取り入れている方も多いのではないでしょうか。
実は、ランニングは走る時間帯によって得られるメリット・効果が違うことを知っていましたか?
本記事では、ランニングに適したタイミングと、タイミングごとのメリット・効果をご紹介します。
記事の後半では、1ヵ月ランニングをしたときの効果や、継続するためのコツもご紹介。「ランニングがなかなか続かない」という方はぜひ参考にしてください!
痩せたいなら朝ランニングしよう!
朝ランニングした方が、ダイエット効果が高い事は明らかになっています。その理由は、ランニングするときに、利用するエネルギーの違いによります。
朝食前は脂肪燃焼効果が2倍
イギリスの生理学者協会によって行われた研究により、朝食前に運動する方が、朝食後に運動するのに比べて、2倍の脂肪を燃焼させるということが明らかになりましたこれは、運動するときのエネルギー供給元が異なるためです。
起床時は、ほとんどの人が長い絶食後の状態にあるため、エネルギー源である糖質が枯渇しています。
糖質が使えないときには、代わりに脂質がエネルギー源として使われます。そのためより多くの脂肪を燃焼することができるのです。
しかし、朝食に糖質を摂ってしまうと、その糖質がエネルギーとして利用され、脂質の利用率は減ってしまいます。
糖質は摂取してから素早くエネルギーに変わる性質を持っているため、ダイエットをしている方は、ランニング後に朝食を摂るのがベストです。
朝にランニングするメリット・効果
朝ランニングのメリット
- 脂肪燃焼効果が高い
- 体内時計を整える「セロトニン」が分泌される
- 生活リズムが整いやすい
前述した通り、朝のランニングはダイエット効果が高いので、痩せたい方には大きなメリットがあります。
他にも、日光に浴びることで「セロトニン」という体内時計を整えるホルモンが分泌されます。
セロトニンは夜に「メラトニン」という眠気を促す物質に変化するため、不眠の方にも効果があります。
朝は、ダイエットしている方や生活リズムを整えたい方におすすめのタイミングです。
朝のランニングするときの注意点
朝にランニングの注意点は3つあります
朝ランニングの注意点
- 水分をしっかりとる
- ストレッチ・準備体操をしてから走る
- ランニング後は朝食をしっかり食べる
水分をしっかりとる
人は寝ている間にコップ1杯分(200mL)の水分を失います。夏場であれば、500mL以上になることもあります。
脱水症状や熱中症にならないためにも、水分をしっかりとってから走りましょう。適度な水分補給は、足つり防止にも繋がりますよ。
ストレッチ・準備体操してから走る
朝は筋肉が固まっており、柔軟性が最も低い時間帯です。筋肉が固まったままだとパフォーマンスが落ち、ケガをしやすくなります。
体をしっかり起こしてからランニングするようにしましょう。
ランニング後は朝食をしっかり食べる
ランニングすると、筋肉がダメージを受けます。その際にエネルギーを摂ると筋肉が修復されより強くなるのですが、エネルギーを補給せずにいると筋肉が分解されたままになります。
その結果、走る度に筋肉が分解されて基礎代謝が落ち、ダイエットに悪影響を及ぼします。
ランニング後は、筋肉の元となるタンパク質を含む朝食をとるようにしましょう。
参考文献
Robert M Edinburgh, Helen E Bradley,et,al.The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, Volume 105, Issue 3, March 2020, Pages 660–676
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Edinburgh RM , Hengist A, Smith HA, et al.Preexercise breakfast ingestion versus extended overnight fasting increases postprandial glucose flux after exercise in healthy men. Am J Physiol Endocrinol Metab.2018;315(5):E1062–E1074.
Cluberton LJ ,McGee SL,Murphy RM, Hargreaves M.Effect of carbohydrate ingestion on exercise-induced alterations in metabolic gene expression.J Appl Physiol (1985).2005;99(4):1359–1363.
パフォーマンスを上げたいなら夜のランニング
夜のランニングは、朝に比べて、高いパフォーマンスを発揮できることがわかっています。
夜にランニングするメリット・効果
夜ランニングのメリット
- 高いパフォーマンスを発揮できる
- 日焼けしにくい
夜は朝に比べて体がほぐれているため、高いパフォーマンスを発揮することができます。
記録や目標に向かって頑張っている方は、朝より夜の方がランニングに向いています。
また、夜は太陽が出ていないため、日焼けしにくいと言うメリットもあります。
太陽から出る紫外線は、美肌の大敵。肌に気をつかっている方は、夜に走るのがおすすめです。
夜にランニングするときの注意点
夜ランニングの注意点
- 安全に注意する
- 夜遅くなりすぎないようにする
夜のランニングといっても、夏は7時、冬は6時までには走り終わるようにしましょう。
完全に暗くなってしまうと、足元が見えなくなり、怪我のリスクがかなり高くなります。
また、走行時には、反射素材がついた服やグッズを身に付けるようにしましょう。
全身黒い服を着てしまうと、夜の暗さと同化して自転車や自動車から見にくくなってしまいます。
1ヵ月ランニングしたときの効果
走る習慣がない人にとっては、1ヵ月ランニングするだけでも一苦労。実際に1ヵ月走るとどのような効果があるのでしょうか。
1日3km・週3回走ると0.25キロ痩せる
走るのに消費するエネルギー(kcal)は、体重(kg)×距離(km)と言われています。そのため50kgの人が1日3km・週3回走ると、1ヵ月で1800kcal消費します。
脂肪1kgを減らすためのエネルギーは7200kcalですので、1ヶ月週3で3km走ると1800 ÷ 7200=0.25kg痩せることがわかります。
ただし、これは走るためだけに消費するエネルギーです。ランニングをすると、基礎代謝や腸内環境が改善するので、これ以外のダイエット効果も望めます。
基礎代謝の向上
ランニングをすると、ランニングに必要な筋肉がつくため、基礎代謝が向上します。
基礎代謝が高くなると、何をしていなくても痩せやすい体になるので、リバウンド防止にもなりますよ。
便秘解消効果
ランニングをすると、腸が活発に動くため便通が良くなります。これにより腸内環境が良くなり、体の至るところに良い効果が出ます。
腸内環境が改善すると、肌の調子も良くなるので、美容効果を得られますよ。
ストレス解消効果
ランニングをすると「ドーパミン」や「エンドルフィン」という幸福感をもたらす物質が脳内に分泌されます。
これらの物質はストレス解消に役立ち、うつの改善にも用いられているほど。
ランニングをするとスッキリすると言われているのは、これらの物質のおかげです。
また、ランニングをすると、体に適度な負荷がかかり、睡眠の質を高めてくれます。夜なかなか寝付けない方にもランニングはおすすめです。
ランニングの知っておきたいQ&A
ランニングの頻度はどれくらいがいい?
週に3回以上。ただし継続できる頻度。
ランニングは継続が1番大切。自分が続けられる無理のない頻度で走りましょう。
その中でもおすすめは週に3回。ただし、初めはランニングするための筋肉や足腰の強さが備わっていないことが多いので、体が悲鳴を上げない頻度から始めてください。
ランニングを継続させるコツは?
走るタイミングを決める
何日に1回走る、などの曖昧な計画を立ててしまうと、気分によって走る・走らないを決めることになり、習慣化されません。
走る曜日・時間まで決められればベスト。トイレのカレンダーや手帳に走るタイミングを書いてしまいましょう。
また、誰かとランニング記録を共有するのもアリ。「見られている」というプレッシャーから、甘い心に鞭を打って走ることができますよ。
朝のランニングが体に悪いと言われている理由は?
起きたばかりは走るのに適していないタイミングだから
朝、特に朝食前は、ダイエット効果が1番高いタイミングですが、「走る」こと自体には適していないタイミングなのです。
理由は3つ。
朝がランニングに向いていない理由
- 体がリラックスした状態
- 筋肉が固まっている
- 水分が足りない
これらを解消するためには、ストレッチや準備体操をしっかり行い、水分をとってから走る必要があります。
目安は、5~10分のストレッチと、コップ一杯の水。これさえしとけば、問題ありません。
スロージョグは効果がある?
効果アリ!朝におすすめ
「スロージョグ」は、ゆっくりとランニングすることです。
速く走った方が効果が高いと思われがちですが、体が完全に起きていない朝に速くランニングすると、体がびっくりしてしまいます。
そのため、朝のランニングは無理のないスロージョグがおすすめ。「キツイ」と感じるペースで毎回走ってしまうと、ランニングが嫌になってしまいます。
特に、ランニング初心者の方は、タイムを求めずに楽しく走ることを心がけてみましょう。
ランニングとあわせてするべきことは?
「タンパク質を含む朝食を食べる」ことと「筋トレ」です。
ランニングによる効果を最大限にするためにも、朝食は絶対に食べるようにしてください。
朝は、ただでさえ長い絶食期間を経た後です。運動だけしてエネルギーを補給しなければ、エネルギー源として筋肉が使われてしまいます。
時間がある方は、筋トレもしてみましょう。
ダンベルや器具を使う必要はなく、腹筋や背筋、スクワットなど、家でできるもので充分。1日10分やるだけでも効果がありますよ。
【まとめ】ランニングに効果的なタイミング
ランニングに効果的なタイミングを紹介してきました。
痩せたいなら朝ランニング、パフォーマンスを上げたいなら夜ランニング。
目的に応じて使い分けてください!また、朝だけに限らず、栄養・水分補給は重要です。意識して摂るようにしてください。
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